聴神経腫瘍とボク#1【聴神経腫瘍について】

 

お世話になっております。
だんのマンです。

 

僕の人生で最も自分自身と

向き合う機会を与えてくれた

ちょうしんけいしゅよう

聴神経腫瘍

という病気についてお話ししようと思います。

 

2018年とても話題になった朝ドラ

連続テレビ小説「半分、青い。

主人公の鈴愛(すずめ)も恐らくこの病気。

 

そして原作者の北川 悦吏子さんも

聴神経腫瘍と診断されているようで

どこかで聞いたことがある方も

いるのではないでしょうか。

 

今回はまず

聴神経腫瘍とはどんな病気か

病気と診断された僕らがすべきこと

についてお話しします。

 

これから

・だんのマンが聴神経腫瘍と診断されるまでの経緯

・診断を受けてから手術まで

・手術前夜・当日

・1か月にわたる入院編

など長い長いシリーズになると思います。

 

愛すべき聴神経腫瘍についてお話しできる日が来るとは。

 

現在、僕は聴神経腫瘍になってよかった。と思っています。

 

この記事が

病気で苦しんでいる人たち

自分で限界を作って諦めてしまってる人たち

心に火を灯す存在になる。

という僕の夢の第一歩のように感じます。

 

それではどうぞお付き合いください。

 

聴神経腫瘍について

 

医学用語は難しいので、

実際の患者である僕の認識を

できるだけわかりやすい言葉で

説明していこうと思います。

 

聴神経腫瘍とは?

 

 

・ほとんどの場合、良性の腫瘍(ガン)である。

「良性の腫瘍は、成長が遅く

周りの組織を巻き込まない」

ガンだが、転移しない。

 

聴神経腫瘍の細胞自体は良性だが

腫瘍のできた場所や大きさによっては

脳幹の働きに障害を引き起こすため

死に至場合もあります。

そういう意味では悪性の腫瘍ともいえます。

 

腫瘍ができる場所

 

 

脳の小脳と脳幹の間の隙間です。

 

この狭い隙間部分には

・聴神経

-音を感じる神経・平衡感覚の神経

・顔面神経

-顔を動かす神経

・舌咽神経、迷走神経

-ものを飲み込んだり声を出すことに関係する神経

・外転神経

-眼を外側に向けるための神経

・椎骨動脈

-脳に血液を送る動脈

 

といった様々な神経・動脈たちが

集まっている場所です。

 

その中の聴神経が腫瘍化したものが

聴神経腫瘍と診断されます。

 

症状について

 

聴神経自体が腫瘍化するため

 

・耳が聞こえにくくなる

-片方の耳で、突然あるいはゆっくり

 聞こえにくくなります。

 

・めまいがする

-まれに突発性の激しいめまいが起こります。

 

そして、腫瘍がゆっくりと

しかし確実に大きくなることで

周りにあるものを圧迫し

その働きを障害し

様々な症状が出現してきます。

 

・顔、舌のしびれ

-顔がしびれたり曲がったり

下のしびれが起こる可能性

 

・視野障害

-モノが二重に見える

 

・平衡感覚障害

まっすぐに歩こうと思っても歩けない

 

・嚥下障害

-食べ物をうまく飲み込めない

 

・激しい頭痛、意識の混濁

 

腫瘍の肥大化に伴い

上記の症状などが出現してくる可能性があります。

 

治療方法

 

・経過観察(様子をみる)

 

・ガンマナイフ(定位的放射線治療)

-ピンポイントで腫瘍に狙いを定めて

 放射線を照射し、腫瘍の肥大化の鎮静を狙います。

 腫瘍が小さいときに選択肢に入ってくる治療法です。

 

・外科的摘出

-開頭手術により

 腫瘍を実際に取り除きます。

 

腫瘍の大きさ・患者の年齢やライフスタイルにより
 それぞれに適した手術の方法を選択します。

 

治療の目的

 

外科的摘出の場合

 

・腫瘍の除去

-うまく取り除けば病気を治癒させることができる。

腫瘍が重要な組織と癒着している場合

わずかに腫瘍を残す場合もあります。

腫瘍を残した場合は、その小さな腫瘍から

次第に肥大化していくような再発の可能性も

わずかに残ります。

 

・顔面神経の残存

腫瘍付近には無数に顔面神経が走っています。

手術の際に出来るだけ顔面神経を傷つけず、残しつつ

聴神経腫瘍のみを取り除くことが目標となっています。

 

・聴力温存

-手術時点で聴力が残っている場合は

聴力を残しながら腫瘍を全摘出することも

可能な場合があります。

ただし、現在ある聴力障害を

良くする手術ではありません

最高の結果で現状維持ということになります。

外科的手術の優先順位としては

①腫瘍の摘出

②顔面神経麻痺を起こさないこと

③聴力の温存

という順位になることが一般的です。

 

ガンマナイフ(放射線治療)の場合

 

手術の目的が外科的摘出と違い

腫瘍の肥大化の鎮静

(大きくなることを止める)

を狙った治療です。

 

治療後すぐに腫瘍が消えさるのではなく

数年単位の経過により治療効果を判定します。

 

外科的摘出に比べて

・入院期間が短い

・開頭手術を行う必要がない

(開頭手術による身体への負担はかなり高い

が挙げられます。

近年の報告では、

多くの施設で90%を超える良好な成績が得られているようです。

(実際の詳しいデータは「聴神経腫瘍 ガンマナイフ」で

検索するとヒットするとおもいます。)

聴力障害、顔面神経障害の発生も比較的少ないようです。

 

治療の歴史が浅いため、長期的に良い成績が持続するかは

全て予測できるわけではない。というのが

現在の医学界の見解のようです。

中にはまれに、治療後も腫瘍の増大が続いたり

いったん腫瘍が小さくなった後に増大したため

外科的手術が必要になったケースもあるようです。

その際の外科的手術の難易度は上がるといわれています。

 

僕は外科的手術を選択したため

ガンマナイフについては

それほど高くありません。

 

自分自身が専門医になれ

 

命を預ける外科的手術の治療方法や手術過程については

手術までに相当調べました。

脳内の構造や神経の配置なども調べに調べました。

 

 

聴神経腫瘍を執刀している医師たちの

・年間執刀数やその実績

・医療ミスなどを起こしているのか

 

また、起こした場合は

・どんな患者のどんなミスなのか

(「ミス」という結果だけで判断するのではなく

その原因が患者の体力や個性のために起こったのか

医師が原因であるのかまで調べる必要があります。

そうしなければ、自分にとって有用な選択肢を

自分で消してしまう可能性があるためです。)

 

・近年学会等で研究を発表しているのか

(今ある知識や技術をさらに高めようとする

 姿勢があるのかどうかを判断するため)

 

・患者たちは術後どんな生活を送っているか

(ブログや術後のコミュニティなどを調べつくしました。)

 

聴神経腫瘍に対する理解を深めることで

 

・症状を客観視できる

-今自分に起こっている症状は

どういった原理で起こっているかを

理解するだけでかなり精神的な安定を

得ることができます。

人間、未知がとても怖いのです。

・これから起こる可能性のある症状を予測できる

-将来的に自分に起こる症状を想像できるので

「この症状が起こってしまうまでに

手術を行わないといけない。

現在は経過観察の予定だが

こんな兆候が出たら即決行しないと

リスクの方が大きくなる。」

などの判断が自分でできるようになります。

 

理解が深まれば、診察の際に、より詳細に

自分の症状を説明することができます。

また、医師の言おうとすることへの理解も高まり

より高次元のコミュニケーションが可能になります。

 

開頭手術は実際に頭蓋骨を開けてみないと

わからないことがたくさんあるので

術前にどれだけ様々なシチュエーションを想像できるか。

成功率に影響を与えると考えています。

 

 

まとめ

 

・聴神経腫瘍の説明

・病気に対する向き合いかた、戦い方について

今回の記事では取り上げました。

 

「医師は先生ではなく相談相手」だと

僕は思っています。

 

 

自分の人生を大きく左右する可能性のある

たった1つの病気に関してぐらいは

自分自身が専門医になりましょう。

 

にはそれだけの価値があります

 

 

 

そして、

当事者1人で処理できる感情の量ではないので

自分の周りの人たちに相談してください。

本当に支えになってくれるはずです。

そして、自分以上に自分のことを心配してくれるはずです。

その時の感動が病気に向き合う強い強い原動力になります。

 

 

自分の身体の細胞のコトを心から信じてあげてください。

行動すれば必ずいい方向へ動き出します

 

 

 

それでは次回は

僕と聴神経腫瘍の物語についてお話ししていきます。

 

今回の記事をお読みいただきありがとうございました!

 

 

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dannoman

だんのマンです。 陸上十種競技マスターズ日本新記録保持者 SASUKE2018に出演 2016年に脳腫瘍(聴神経腫瘍)の手術を行い、「術後、競技スポーツはできない」と診断されてから半年で十種競技に復帰し、マスターズ日本記録を更新しました。 みなさんの人生をより一層楽しむためのお手伝いができればと思っています。

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